巫女と王子と精霊の本



「この度は民を救って下さりありがとうございます」


エルシスは王子様らしく地に片膝をつき頭を下げた。


『よい。わらわは浅夏 鈴奈を気に入ったから泉の水を分け与えたのだ。ただそれだけのこと』

「クレアーネさん…」


今こうして皆が元気でいられるのはクレアーネさんのおかげだ。


「結果的にそれが我が民を救ってくれた事に繋がる。だから礼をさせてほしい」


エルシスはもう一度頭を下げた。


『エルシス。ぬしもなかなか面白いのう』



だが何故かクレアーネさんは気に入ったようだった。


「それから…」


エルシスは私に向き直り私の手を握る。


「エ、エルシス!?」



ななな、なに!!?
いきなり手なんか握って!!


「鈴奈、お前がいたから、俺は大事なモノを一つも失わずにすんだ」

「そんな大袈裟な…。でも言ったでしょ、私があなたを守るって」



だからもっと私を頼って。私を信じてほしい…



「あぁ。お前は俺の女神だな」

「はぁ!?」


女神!?
初めて言われたよそんなの!!


というか何故だろう。
物凄くベタでキザな台詞が、エルシスが言うとしっくりくるというか………