巫女と王子と精霊の本



「エルシス…負けないで」


私はエルシスの手を握り声をかける。


「あなたにしか救えないんだよっ…」


―ポタンッ


涙がエルシスの頬に落ちた。




この壊れゆく世界を守れるのはエルシスだけ。


「エルシスは希望なの」


みんなの希望…


私はこの物語の未来を変える為にきたのに…


「あなたを守る為にここに来たのに…エルシスが死んだら…」

「俺が……」


……え……?


目の前のエルシスがゆっくりと目を開けた。


そして私を見上げる。


「俺が死んだら何だ…?」


エルシスは優しい笑みを浮かべ、私の手を握り返した。