巫女と王子と精霊の本



『過ちを認め、素直に非を詫びる素直さ。わらわはぬしを気に入ったぞ』


へ?
気にいったって…


どうしたらいいか分からずただ女性を見つめているとクレアーネさんは私の顎を捕らえた。

女性の長い爪が頬を引っ掻く。


じわりと血が流れた。



『わらわの命と見合う対価を差し出せ。ならば泉の水を分けてやろう』


命と…見合う対価……?


『ぬしは得る代わりに何を差し出す?』



…そんな……
命に見合うものなんてありません。


『ほう…ならば与えられぬな』


それでもお願いします。
人間は身勝手で傲慢かもしれない。


それでも…生きてます。


魔王が地上で災厄を撒き散らしているせいで人間は苦しんでる。


でもそれも次期に地上だけの問題ではなくなります。



『魔王とな…』


この泉も、沢山の自然も死んでしまう。


でもそれを食い止める方法がある。


『それは何だ』


…この世界の王子。
エルシス王子です。



『魔王相手に人間に何が出来る』


エルシス王子でなければ救えないんです。



そう、エルシスは希望。
唯一の可能性。