巫女と王子と精霊の本



「………エルシスっ…」


私は一人、泣きそうになるのを堪えた。


私が泣いてたら駄目…
私があの人を守らなきゃ…


「…エルシス…」


私は瞳を閉じて本に願う。


「エルシスを…それから疫病に苦しむ民を救いたい!!」


―パァァアッ


光が瞬き、本がパラパラとめくれる。


そしてそこには、新たな物語が綴られた。



《白の結末》

―疫病にかかったエルシス王子は、魔法の泉の水によって命をとりとめます。

完治したエルシス王子は、
自らも民に泉の水をくばり、多くの民を救いました。



「…まだ救える…」


泉を見つけさえすればいいんだ!!


心に少しだけ希望が見えた。



「エルシス…あなたを絶対に死なせないから!!」



私は本を片手に部屋を飛び出した。