巫女と王子と精霊の本



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エルシスがマニル国へ発ってから二日が過ぎた。


今日はエルシスが帰ってくる日だ。


「〜♪」


知らず知らずに鼻歌が出る。二日、短いようで長かったなぁ…


早く会いたいと思う自分がいる。



そんな事を考えていると、なんだか外が騒がしい事に気づいた。


「セレナ、何かあったのかな?」

「そのようですね、私が見て参ります」


そう言ってセレナが足早に部屋を出る。


―ドクンッ


「っ…なんだろう…」


胸騒ぎがする…
何か良くない事が起こるような…


「…まさかっ…」


私は震える手で本を開きページをめくった。


すると……


「っ!!!!」


物語が綴られてる!!
昨日までは白紙だったのに!!


「あぁっ…お願い…何も…」


何も起こらないで!!



私は物語の文章に目を向ける。



―嵐はさらなる災厄を生みます。

マニル国を訪れていたエルシス王子は、民が疫病に苦しんでいるのを知り、自ら民を看病していました。


ですが、そのせいで自らも疫病にかかり、死んでしまいました。



「…………え……?」


一瞬、理解できなかった。今、なんて………?


私は先程から目を外せない言葉があった。


"死んでしまいました"


「…死ん…で……?」



そんな……
エルシスが……



「…させない……」


死なせない。
私はエルシスを助けるって決めたの!!


諦めない…



―バタンッ


「巫女様!!!大変です!!」



セレナが血相を変えて部屋へ飛び込んで来た。


「……エルシスは城に戻った?」

「はい。ですが…」

「…皆にエルシスから離れるように言って!!エルシスから病気をもらわないように!!」


私の言葉にセレナは目を見開いた。


「…ご存知で……?」

「…セレナ」


私は早くと目で訴える。
するとセレナは慌てて頷き、部屋を飛び出した。