巫女と王子と精霊の本



「……………。俺を守るだなんて、やっぱり変な女だ。それに勇ましい。本当に女にしとくには惜しい」

「なっ!!ひどい!!」


本気で心配してるのに!!


「…嬉しかった」

「えっ………?」


ふざけていたと思えば、エルシスは急に真剣な顔をする。


「お前だけは、俺に弱くてもいいと言ってくれるんだな…」


エルシスは俯いた。


エルシス……?


「どんなに苦しくても、泣き事は許されなかったからな…。そうか…俺は弱くても良かったんだな…」


あぁ……
今までこの人はどれだけ苦しかったんだろう…


期待も希望も、いつしか重荷に変わって…


「…私がいる。大丈夫、せめて私の前だけは、弱さを隠さなくてもいいんだよ…」


時が来るまで…
この人の傍で、この人に本当の意味で安らぎを与えられる人が現れるまで…


私はこの人の傍で、この人をあらゆる災厄から守ろう。


「…あぁ…。ありがとな…」


エルシスは少し泣きそうだった。それでも、笑みを浮かべて私の頭を優しく撫でた。