「…鈴奈……?」
信じられないと言わんばかりに目を見開くエルシスに私は笑顔を向ける。
「エルシス!!」
私の声でハッとしたエルシスが両手を広げて私を見上げる。
「鈴奈!!?」
驚きながらも受け止めようとしてくれるエルシスに少し笑ってしまう。
「ただいま!!」
おもいっきりエルシスの胸に飛び込むと、エルシスが強く抱き留めてくれた。
「嘘…だろ…。なんで…願いが叶ったのか?」
「願い?」
「あ、あぁ。リコリスの花をこの十字架に捧げて願うと、願いが叶うとか…」
震える声で呟きながら私を抱き締めるエルシスに私は笑顔を見せる。
「エルシスの願いって……?」
本当は薄々気づいてる。
エルシスは私と同じことを願ったんじゃないかな。
世界から消える、そう思った時に現れたあの本に願ったように……
「お前と生きていきたいって…そう願ったんだよ、鈴奈…」
いつも強くて自信に溢れたエルシスが泣きそうな顔をしている。
抱き締めたい、そう思ったけどがまんする。私には伝えなきゃいけない事があるから…
「なら、神様が叶えてくれたのかな?」
私も泣きそうになりながらエルシスの頬を両手で包む。
「どういう……ことだ……?」
「私もエルシスと一緒に生きていきたい。だから、全てを乗り越えて今ここにいるんだよ」
あの世界での生を、想いを乗り越えてここへ……
「……ずっと、傍にいてくれるのか?」
エルシスの言葉に強く頷く。
その瞬間―…
「っ!!」
エルシスが強引に、唇を奪う。
「ふっ…ん」
驚いたけど、なによりずっとこうして欲しがった。
「鈴奈っ……っふ、ん」
「エルシ…スっ、ん…」
互いに名前を呼びあっては求めあう。
泣いてしまうほど幸せだった。
「おかえり、鈴奈…。一年も待ったんだ、覚悟しろ」
「え、一年!?」
私の世界トアルサティアの流れる時間はだいぶ違うのかもしれない。


