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体が急速にどこかへと落ちていく…
目を開けているはずなのに、暗闇しか見えない。
『やぁ!』
暗闇の中で、いつか聞いた懐かしい声が聞こえた。
「…っ…フェル!!?」
声をかけると、目の前にポンッと見知った精霊が現れた。
やっぱりフェルだ!!
『元気そうでなによりだよ!ははっ』
「こ、これが元気そうに見える!?」
こんな、落下してる時にフェルは呑気だなぁ…
フェルは飛べるからいいけど、私は飛べないんだよ!!
私に合わせて一緒に落ちるフェル。
フェルはあの時の冷酷な精霊ではなく、穏やかな顔をしていた。
今は優しく笑うんだなぁ…
落ちているのにも関わらずこんなことを考える私も呑気なのかもしれない。
『僕にも、大切な友達がいたみたい』
「…フェル………」
『君のかわりに学校に通ってみたんだ。最初は本当に気まぐれだったんだけどね』
フェルのいう友達が朱美と千尋の事だという事がすぐにわかった。
「…フェルっ…私達、良い友達をもったね!」
『うん……』
フェルの中でも何か変化があったのかもしれない。
『君は本当に全てを捨ててきたんだね』
捨ててきた……か。
私はもうあの世界に戻ることは出来ない。
でも…………それは違うのかもしれない…
「私はっ………」
落下しているせいでうまく言葉にできない。
『あぁ、ごめん。境界まであと少しだから頑張って!』
「う、うん!」
私が話せないことに気づいてフェルが苦笑いを浮かべる。
「私、ね…。捨てたんじゃなくて、離れてても、心の中に残ってるものだって思うの!!」
あの世界での思い出があるかぎり、私はあの世界を忘れない。
私はあの世界を捨てられない。
たとえ、もう帰らないのだとしても、私はあの世界に生きていた。
そして今も……………
『君っておもしろいよね』
「そう…かなっ?」
『やっぱり決めた!君がこの世界の管理者になってよ』
「ん……うん?」
今、なんて!?
ううん、聞こえてたけどなんだって!?
『だーかーら、君がこの世界の管理者になるって話だよ!』
なんでそんな話になるのー!?
私なんてただの女子高生なのに!!
「私に出来るわけっ……」
『だって、君がこの世界を守ったんだよ?だったら管理するのは君が適任だよ』
「でも………」
『僕に見せてよ、この世界の価値を』
……そうだ、私はフェルに証明しなくちゃいけない。
アルサティアが、どれだけ素敵な世界か…
強く、想いに溢れた世界かを……


