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「本当にいなくなっちゃったね………」
朱美は先程までいた親友の姿を探す。
そこにはただ、冷たい風が吹き抜けるだけだった。
「…本当に…あれ、誰がいなくなっちゃったんだっけ…?」
そこにいたのは親友のはずだった。
なのに、名前が思い出せない…
困ったように千尋を見ると、千尋は無言で首を横に振る。
「……私も、思い出せない……」
なんだか、記憶の中の親友の姿までおぼろげになってきてしまった。
短い時間だったけど、変わった人だったと思う。
『僕と友達になってよ!』
席も遠くて、接点なんてほとんどなかった私達が仲良くなれたのはあの子のおかげだ。
馬鹿みたいに明るくて、調子がよくて…
何を考えていたのかわからない子だった。
でも、今日出会ったあの子は……
性格も真逆で、どこか不安そうだった。
もしかしたら、二人はまったくの別人で
一緒に時間を過ごした親友ではなかったのかもしれない。
それでも………
あの子はあの子だ。
「私達の親友さん!どうか幸せに!」
空に向かって叫ぶ。
この声が、どうか届きますように……
「いつかまた会えたらいいな…」
千尋の言葉に朱美は笑顔を浮かべる。
「会えるよ、きっと……」
二人は微笑みながら空を見上げるのだった。


