巫女と王子と精霊の本





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朝のホームルーム中、ぼーっと窓から空を見上げる。


この空はアルサティアには続いてない。
それがとてつもなく悲しい。





私の席は窓際の一番後ろで、朱美ちゃんと千尋ちゃんの席は離れている。


周りを見渡してみる。
知らない人、知らない場所…



ここは……私の居場所じゃない……


ここにいる人たちを私は知らない。
私は、どうしてここにいるんだろう…



何故か泣きそうになった。


ここが私の居場所のはずなのに、どうしてこんなに悲しいんだろう?
寂しいんだろう?



「ね、鈴奈どうしたの?」


目の前に座っている知らない女の子が私を心配そうに見つめている。



「あ、ううん。大丈夫!」



名前もわからない人。
本当にここにいたのかな、私………



私はどうしてここにいるんだろう……




「鈴奈ちゃん…」

「あ……千尋ちゃん……」


いつの間にか千尋ちゃんと朱美ちゃんが私の席の前に立っていた。


「元気ないね、どしたー?」


朱美ちゃんが私の頭をぽんぽんと撫でる。



―ポタッ



何かが机の上に落ちた。



「鈴奈!?泣いてるの!?」


朱美が慌て出してはじめて自分が泣いていることに気づいた。



私……そうか、あの世界を忘れられないんだ。あの世界に生きる私の大切な人に会えないから…



もう二度と、会えないから……



涙がブワッと溢れた。
きっと止まらない、すごく悲しいから…


「…会いたい…よっ…」


エルシス―………



泣き続ける私を見て、二人は顔を見合わせる。




「鈴奈」


朱美が私の右手を掴み立たせた。



「朱美……ちゃん……?」




訳がわからず立ち上がる。


「……行こう」



千尋ちゃんが私の左手を掴み歩き出す。



私は二人に手を引かれながらどこかへ連れていかれる。