巫女と王子と精霊の本




「鈴奈、お前は本来こちら側に在るはずだった。思い出せ、アルサティアに抱く憎しみを」


「憎しみ……?私は憎しみなんて……っ!」




―フワッ




先程まで遠くにいたもう一人の私が目の前にいる。



「エルシス!?」



姿が消えたエルシスの名前を呼び、探した。



「うぐっ、くっそ……。何が起こった…?」


するとエルシスは少し離れた場所に倒れていた。





「何かに吹き飛ばされたぞ…。魔法…なのか…?」



よろよろと起き上がり剣を構える。


「動くな」

「!!」



もう一人の私の言葉に従うように、エルシスが固まる。




「くっそ…なんだっ……」


「エルシス!?な、何をしたの!?」


「殺しはしない、今はな。そこで見ていろ、希望を失う瞬間を」



希望を失う……?
どういうことなの?