巫女と王子と精霊の本




《鈴奈side》

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―バタンッ


呆然と閉まった扉を見つめる。


「……どうしたらいいの…?どうしたらよかったの?」



涙がポロポロと流れては床に染みをつくる。


「すまないなんて…」


エルシスは悪くない。
だけど、だけどね?
もう、苦しいの、辛いの!!


「私だって…私だって!!」


扉に両手をつき膝から崩れ落ちる。


「私…だって…あなたの事がっ……」


でも、こんな想いは抱いちゃいけない。
エルシスはラミュルナ王女と幸せになれるのに、私がそれを壊してはいけない…




「…ふっく…愛してるっ……」



嗚咽しながらも去ってしまった扉の外のあの人に愛を告げる。


本人には決して知られてはいけない。
だからいないとわかっていても小さな声で、吐息と共に消えてしまうように告げた。




「愛してる…ずっと…」



そうやって私は扉にすがって泣き続けた。