巫女と王子と精霊の本


《エルシスside》

―――――――――――――
―――――――
―――――


―バタンッ


閉まった扉に俺は背を預け力無くずるずると座り込む。



「……想ってるなんて…言わないつもりだったんだがな…」


俺は馬鹿だ。
あいつの気持ちも何も考えていなかった。


あいつは帰るんだろう?
俺は引き留めてはいけない。

それがあいつの幸せなら尚更。



なのに……
遠回しに自分の好意を押し付けて…


「ハッ、そのくせはっきりと告白もできないとはな…」



情けなくてしょうがない。


ただ、俺の幸せがお前だと言っても、あいつは決して自分ではない誰かと結ばれる事を幸せと言う。



「お前…なんだよ…。俺は…お前と…」


お前と終わりなき未来を歩みたい。
他の誰かじゃなくて、お前だけが欲しい!!



「…愛している…鈴奈っ…」



扉の向こうにいる女に届かぬように愛を囁く。



涙は止まらず胸が苦しくて仕方ない。



「愛している…」



囁く度に苦しくて、死んでしまいそうだった。



「…あぁ、俺は永遠に幸せになどなれないだろうな…」




だって……
お前のいない世界など……


俺の幸せではないから………………