巫女と王子と精霊の本






「巫女様、俺びっくりしたよ」


廊下に出てセキと広間に向かう。
セキは歩きながら私をまじまじと見つめてそう言った。



「え、何が?」



突然どうしたっていうんだろう。
なんの事だかさっぱりわからない。




「鈴奈の事、何も知らない子供だと思ってたけど…。俺も人を見る目がないな」

「セキ……」



確かに、最初は私を権力やお金目的で巫女になったと思ってたみたいだったけど…



今は違うってわかってもらえたのかな?



「鈴奈は本当変人だよね。馬鹿みたいに人を信じてさ、傷つけられても助けたいなんて言う…」


「セキ……」


「でも、そんな鈴奈を見てるとさ、俺も信じられる気がした」


セキが今まで見せたことの無いくらいの優しい笑みを浮かべる。


セキ、こんな優しい笑いかたもするんだ…