巫女と王子と精霊の本





―コンコンッ


「巫女様?入るよ?」


外からセキの声が聞こえたと同時に扉が開く。


「セキ、着替え中だったらどうするの!」


まったく、礼儀もなにもないなぁ。
この人本当に王子?


「……………………」

「セキ、今度からは入っていい?とかなんとか聞いてよね」

「………………………」



…セキ…………?
何故かセキは固まったまま静止している。




「セキ?」

「あ、あぁ……うん、何?」


何?って…………
セキが私に用事があったんじゃないの??


「巫女様が美しいからセキ様もみとれたんでしょう」


「えぇ!?それはないよ!」



私なんてこの世界のお姫さまと並んだらゴミですよ!!おだぶつです!




「いや、本当に鈴奈は綺麗だよ。王子に譲るのがもったいないねぇ」

「うん?なんか言った?」


あとのほうはセキの声が小さくて何も聞き取れなかった。


「いや、何も?さ、広間に行こうか。エルシス王子もそこにいるしね」



そうだ、エルシスはこの国の王子だから挨拶回りがあって忙しいらしい。



「巫女様、楽しんできて下さいね」

「ありがとう、セレナ」



私はセレナに手を振って部屋を出た。