巫女と王子と精霊の本




「お前を初めて見つけた時から、俺は…」

「……え……?」



エルシスの顔がどんどん近づいてくる。
右手が私の頬を撫でた。



…エルシス……?
これってどうして……
私、キスされそうになってるの?


「巫女サマ、もうじき着くってー!」

「「!!」」


別の竜の背に乗っているセキがこちらへ手を振っている。


私達は咄嗟に離れた。


「も、もうすぐ着くって」

「そう…みたいだな」



やだな、エルシスの顔見れない!
とりあえず何事も無かったかなように振る舞おう!


『巫女』


「ん?竜王?」


―どうしたの?


私達を乗せている竜王が話しかけてきた。




『礼を言うぞ、巫女。お前のおかげで皆が正気に戻った』


―私は何も。このアルサティアの皆のおかげです。



『だが、お前がいなければ皆動かなかっただろう。我らは解り合う事も出来なかったはずだ』


―竜王……。私こそありがとうございます。人間を信じてくれて…




『全ての人間を信じられるわけではないが、お前とお前の信じるモノは我も信じよう』


―ありがとうございます!私も竜王が信じるモノは信じますよ!



『…くくっ…なんとも奇妙な娘だな』


「ええっ!竜王までそんなことをいうの!?」


私、そんなに変人!?