巫女と王子と精霊の本





「話せなかったのは、お前がいつか帰らなきゃいけないからか?」



帰らなきゃいけないから………
確かにそうだ。
悲しませたくなかった。
でもそれ以上にエルシスと誰かが幸せになる未来が辛かった。



私とは絶対に結ばれないから…



「うん…そうだよ…」



日増しに溢れていく…

エルシスへの想いが、結ばれたい欲が…
どうにもならないのに…
淡い幻想でしかないのに…



「期待するだけ悲しいだけなのに…」

「鈴奈?」

「あ……ううん!何でもない!」



やだな、口に出てたんだ。


今はこうして今まで通り話せただけで満足だよね?
これ以上は望んじゃ駄目だ。



「お前は優しすぎる。でもその優しさが俺には辛い」

「辛い……?」


エルシス、なんでそんな泣きそうな顔するの?



「お前を遠く感じるって言ったろ。俺はお前を守りたいのに…。そう思えばそう思うほどお前が遠くなっていく…」


「エルシス……」


「頼むから、俺にお前を守らせてくれ。ずっと一緒にいろってわけじゃないが、この腕が届く距離にいろ」



それって……ずっと一緒って事と同じじゃ…