巫女と王子と精霊の本




「それでも私は信じてるの!誰かを愛する事も、反対に憎しみも、心があるから抱ける感情でしょ?」


心があるから苦しい、でも心があるから愛しい…




「憎しみって、何かを一度でも信じて望んだけど叶わなかった。そんな時に生まれる感情だと思う。その人も何かを信じて愛したんじゃないかな?だから怖いんだよ、また苦しい思いをするんじゃないかって…」



また傷つくのが怖いだけ、もう愛せないわけじゃない。




「心があれば伝わる!絶対に伝わる!」



だから諦めないでほしい。
必ず気持ちは伝わる。


「……鈴奈が言うと出来る気がするな」



エルシスが私を見て笑顔を浮かべる。



「エルシス………」



いつでも私を信じてくれるエルシス。
そんなあなたに私はどれだけ助けられてきたんだろう…




「鈴奈みたいな考え方もあるんだね、本当、どこまでも綺麗すぎるよ…」



セキは諦めたように笑う。
その瞳はどこまでも優しかった。