巫女と王子と精霊の本




「じゃあ、エルシスは鈴奈を女として見てないんだ?俺はいつだって鈴奈を女として見てるよ?」



セキがぐっと距離を近づけてくる。


「こ、こんな時ばっか…名前で呼ば……」


「なんで?鈴奈が名前で呼んでって言ったんじゃん……」


セキは色気めいた瞳で私の瞳をのぞき込む。



な、なにっ!?
こんな…見つめられたら………


「鈴奈……」


セキの顔が近づいてくる。


あ、吐息が顔に…………



「止めろ!!」

「はわっ!!?」


体が後ろへと引っ張られる。


―トスッ


「あっ……」

「あまり隙を見せるな!!あれはお前を傷物にしかねないぞ!!」


あ…エルシス!?


エルシスは必死な顔で私を後ろから抱きしめる。



「お前を守ると言ったはずだ、お前を傷物になどさせない」

「…エルシス……」



な、なんか心臓が煩い。
ドキドキして…苦しい。



「ほら、行くぞ」

「あ、うん??」




エルシスが泉へと向かって私を引っ張っていく。