巫女と王子と精霊の本






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馬で砦へと向かう。
城から二日ほどの距離に砦はあるらしいので、私はエルシスの前に、セキは一人で馬に乗った。


「あ、わわっ…」


振動で体が揺れる。
落ちないようにエルシスは私を抱き寄せた。


「大丈夫か?そういや、馬は初めてだったな」


エルシスの胸に耳が当たってるせいか、エルシスの声が頭に響く。


「あ、うん!す、すすごい揺れっ…わっ!」

「恐いか?」


エルシの心配そうな声に慌てて首を横に振る。


「恐いけど、ちょっと楽しい!私の国には馬に乗るのはごく一部の人だけだから」


馬なんて競馬とか動物園でくらいしか見ないしね。



「なんだ、身分が高くないと乗れないのか?」


「そういうわけじゃないけど、馬に乗らなくても別の移動手段があったから」


自転車とか、車、電車とか…ね。



「別の移動手段?」

「うん、えっと…」


車なんて言ってもわからないだろうし…
機械?でも分からないだろうし…



「い、生きてない……馬?」

「…………それは、骸…ということか?」


ああっ!!
エルシスの顔がひきつってる!!


我ながらなんてセンスのない例えをしてしまったんだろう!!