巫女と王子と精霊の本





「これが…アルサティアの巫女か…。願うのは私達だ、巫女にエルシス王子よ。アルサティアを救ってくれ。その為にギオウ国も力をかそう」



国王様が笑みを浮かべる。


「ありがとうございます!」

「感謝します、国王」


エルシスと二人で頭を下げた。



「良かった、良かった。じゃあ行こうか」


さっきまで黙っていたセキが扉に背を預けて軽く手を上げる。


「セキ、頼んだぞ」

「はいはーい。仕事はちゃんとこなしますよ、王サマ♪」


セキは王様にうやうやしく頭を下げる。それがなんだかわざとらしい。


「全く、お前も変わらぬな、セキ。もっと真面目にしないか」

「いやー、真面目、真面目、大真面目ですって」

「……お前は私の息子だという自覚を持て、セキ」

「はいはい、自覚してます、してます」



………ん……?
国王様、今なんて!?



「お、おい…セキは国王の息子…とおっしゃいましたか?」


エルシスは顔をひきつらせながら尋ねる。



「なんだ、話していなかったのか?セキ・ギオウ、こやつは私の息子でこの国の第一王子だ」


………え?

でも隠者って…言ってた…よね?




エルシスも固まっている。
もう頭がフリーズしてるんだと思う。



「ま、そういう事、よろしく」



よろしくって……………



「セキ!なんで早く言わないの!?ビックリ仰天だよ!」

「いやいや、面白そうだったからさ♪」


面白そうだったからさ♪
じゃない!!


もう馬鹿らしくて脱力する……




「……お前のアホさ加減は今に始まった事じゃないな…」



エルシスも疲れたように溜め息をついた。



「じゃ、行くよー」



セキがたったかと歩いていく。
私とエルシスは国王様に頭を下げてセキを追った。