巫女と王子と精霊の本






「ね、巫女サマ。俺を雇わない?俺、どんな情報だって集められるし、こうやって忍び込んだり盗んだり、暗殺も出来るよ?」

「…ちょっと待ったぁぁっ!!」



この男は笑顔で何をおっしゃってるの!!?



「ん、何?」

「最初の意外、不法侵入、窃盗、殺人で日本の法律破りまくりだからね!?」


なにシレッと恐ろしい事を言ってるの!?


「…あー…ほう、りつ?」

「あ……この世界には無いのか…。えと、とりあえず情報収集意外はやめて。そう約束するなら雇うから」


こんな危険人物を放置しておけない!!



「お、おい鈴奈。雇うって隠者をか!?」

「エルシス、危険人物は傍に置いておいたほうがいいと思う。目を離したら何しでかすか……」


考えるだけで恐ろしい!


「じゃあ、俺が悪さしないようにちゃーんと見張っててよ」


男が色気をまとった眼差しで私を見る。


「だがな…色んな意味でこいつは危険だ。俺が預かる。絶対に俺の部屋からは出さないように俺が見張ってる」

「は?俺、そっちの趣味無いんだけど」

―チャキッ

エルシスは笑顔で剣を構える。


「……安心しろ…俺にもそんな趣味はない」

「やだな王子、冗談だって」

「……すまないな、血は好まないんだが……」


ゆらりとエルシスは剣を振り上げる。


笑顔のはずなのに……
エルシス、目が笑ってない………


「セ、セレナ…?あれ止めなくていいの?」

「私はエルシス様に仕えておりますので」


―つまり、助けないという事ね……






その後、殺人未遂事件が起きた事は言うまでもない。