瞬の同期で、一番仕事ができる雅城。

二人は入社時から同じ部署だったから、何かしら比べられることが多かっただろう。

雅城の口から、瞬をねたむような発言を聞いたことはなかったけれど、たぶん意識はしていたに違いない。

負けず嫌いで、いつだって自分が一番になりたいって強く思う人だから……。


女同士の同期は、きっと男同士の同期の関係よりももっと緩やかだ。

だって、わたしは由真に仕事で勝とうだなんて、強く考えたことなかったもの。

むしろそれどころか、尊敬のまなざしだった。

覚えが早いから先輩からもすぐに重宝されて、上司にも気に入られ、期待を上回る仕事をして見事に結果を出す。

明るいキャラクターもみんなに好かれる要素。

由真の周りにはいつも誰か人がいるんだ。

羨ましいとは思うけれど、負けられないっていう感情にはつながったことがないわたしは、瞬の言葉になんて返事をしようか、頭の中をぐるぐるとさまよい、言葉を探していた。