「終わったか」 「うん」 私は奏太さんに駆け寄った。 奏太さんがヘルメットを渡してくれる。 ヘルメットをかぶって、バイクに乗ると、奏太さんがバイクを発進させた。 「どうだったか?」 「うん、普通だったよ」 「普通?」 「うん。面白くもないし、かと言って、つまらなかったわけでもないし」 「…同感だな」