私が答えると 「だろ?」 奏太さんが、授業中の先生みたいに言った。 「だけど」 「?」 「悲しいことがあったのに、そんな笑顔でいられるのも嫌だよ!」 私の言葉に奏太さんは俯いて、それから 「じゃあ、どうすればよかった?悲しい顔してりゃ、よかったのかよ!」 怒鳴った。奏太さんの剣幕に私は驚いた。 心臓が縮み上がった。 「そうじゃなくて…!」 「じゃあ、俺ら、どうしてりゃよかったんだよ!」