*
綺樹がバスルームから出ると、向かい側の壁に涼が寄り掛かっていた。
制服姿で、片手にカバンを持ったまま腕を組み、じっとみつめている。
「お早いお帰りで」
いささか驚いて綺樹はそう言った。
「おれと一緒に住んでいる間は、他の男と遊ぶな」
低い抑揚の無い声で言う。
綺樹は前髪をかきあげてリビングへ歩きだした。
「自分のことを棚にあげて?」
そっけなく言うとサイドボードからブランデーのボトルを出した。
「誤解だ」
綺樹は涼の言葉にグラスに口をつけながら、片眉を上げた。
綺樹がバスルームから出ると、向かい側の壁に涼が寄り掛かっていた。
制服姿で、片手にカバンを持ったまま腕を組み、じっとみつめている。
「お早いお帰りで」
いささか驚いて綺樹はそう言った。
「おれと一緒に住んでいる間は、他の男と遊ぶな」
低い抑揚の無い声で言う。
綺樹は前髪をかきあげてリビングへ歩きだした。
「自分のことを棚にあげて?」
そっけなく言うとサイドボードからブランデーのボトルを出した。
「誤解だ」
綺樹は涼の言葉にグラスに口をつけながら、片眉を上げた。

