”キレイ”な愛

不思議そうに3枚下ろしを丸めて爪楊枝に刺してあるのを摘み上げた。


「さんま。
 シソを入れて巻くと、さっぱりして食べやすい。
 片栗粉つけろよ」

「さんま、か。
 久々だ」


綺樹は恐る恐る秋刀魚に片栗粉をまぶす。

刺してあった秋刀魚がぐるりと回ると、楊枝から外れて片栗粉の山に落ちた。

粉が舞い上がる。


「あーあー。
 楊枝を下向きにしたら落ちやすいだろう。
 横向きにするんだよ」


涼は台拭きが見当たらないのに、タオルを差し出した。