”キレイ”な愛

「気をつけないとな。
 次は、おまえを不慮の事故で意思無能力者にして、後見人を狙うぞ」

「かもな。
 とりあえずは、ゆくゆく本社を継ぐことになるのは、阻止しようと動いているみたいだ」

「ふうん」


綺樹はちょっと考える表情になった。


「それは困るな」

「なんで?」

「さやかは、ゆくゆく西園寺コンツェルンを引き連れていくおまえと仲良くしたいんだ」


お茶の入った湯のみを凝視する。


「だから、おまえはこうして俺につきあってるの?」


涼は綺樹の表情を注意深く見守った。