”キレイ”な愛

「本当だな。
 もう12時近いんだな。
 何を食べる?」


綺樹は何気ない調子で聞いた。

着信件数は二桁を超えていた。


「そうだな」


涼もそれにあわせる。


「浅草といえば・・。
 こっち」


涼は綺樹の背中を軽く押した。

本人が良いのなら、こちらも気にしない。

綺樹との距離を縮める。

それだけだ。