”キレイ”な愛

「日本では始動したばかりだからね」


そっけなく言った。

嘘だな。

今日も仕事だったのだろう。

それでも自分に付き合ってくれたというのは、どういう理由だろう。


「腹減ったな」


涼の言葉に呆れたように見上げた。


「もうか?
 あんなに喰ったくせに」

「だってもうお昼時だぞ」


綺樹は確認するように携帯を取り出した。

電源が切ってあったようで、入れると電子音がした。

日本製では無いので、画面表示が英語だ。

ローディングが終わって時刻が表示されると同時に、着信件数が表示される。

着信表示の画面に切り替えて確認していると、涼が画面を見ているのに気がついた。

さりげなくオフにして、ポケットにしまいなおす。