目だけ動かすと、ライナだった。


「来てたんだ」

「まあね」


綺樹は微笑した。

髪を結い上げ、体にぴったりしたドレスを着ているライナは、問題なくいい女だった。

スペインの女優に似ている。
あの女優の名前はなんだったか。


「なに?」


綺樹が見つめるのに、ライナは問いかけた。


「目の保養」

「何言ってるの」


綺樹はくつくつと笑って、また庭に目をやった。