”キレイ”な愛

綺樹はカップを手に取ると口にした。

驚いたように慌ててコップを置くと、ジャケットのポケットからハンカチを取り出そうとした。

ハンカチと一緒に入っていた物が床に散乱する。


「大丈夫か?」


熱かったらしくて涙目になってしばたいていた。

意外と抜けているんだよな。

涼は微笑して床に散乱したものを拾い集めた。

いくつか空になった薬のタブレットシート、とれた白い洋服のボタン、のど飴のスティック。