”キレイ”な愛

椅子に足を組んで座り、背もたれに身を預けるように寄りかかり、煙草を吸っている。

髪の毛が少し伸びた。

何かを考えているのか、長い前髪をすかして宙を見つめていた。

その横顔に色気を感じ、そそられる。

自分と離れている間、どれだけ他の男と遊んでいても構わない気になってくる。


「よお」


テーブルに歩み寄り、声をかけた。

目だけを動かし、涼を上目遣いに見上げた。

その眼差しにぞくりとする。

だめだ、終わってる。

涼は自分の胸の内を笑った。