”キレイ”な愛

だが相手の女が誰だかわかったら、また俄然面白くなった。

涼には言っていないが、父親の代理で出席したパーティーで何度か会っていた。

彼女の過去と背景。

とても面白くなりそうだった。

成介の話を聞いた涼は、胸の内が荒れ狂うのを抑えるのに必死だった。

あの時あいつはなんと言った?

こっちの方が面白いからダバリードを辞めると言わなかったか?

そうだ。

以前、一緒に誘拐監禁されたとき、こういうのに慣れているといった。

全て嘘だったか。

気づいたら、いつも通りマンションのキッチンで手を洗って、水を飲んでいた。