そう決まったら、自分の仕事は女王の足元を固めておくこと。

ぬかるみで、その華奢な足を、汚さぬように。

綺樹はさやかの少し後ろに控えていた。

パーティーは好きじゃない。

いつもだったらタイミングを見て、どこかへ避難、だ。

今日は、さやかが次に必ず紹介するのに、外せなかった。

しょうがない。

日本でしばらく代理を務めるのだから。

綺樹は社交用の笑顔をふりまいた。

長い夜になりそうだ。

ため息をグラスに口をつけることで誤魔化す。