「失礼します」

院長室に入った。

「夜勤明けだって言うのにすまない」

「いいえ・・・

それよりどうしたんですか?

院長が私を呼び出すなんて・・」

オレの言葉に、

顔色が変わった院長。


「迫田君」


「はい」


「西原教授は知ってるね?」


「もちろんです」


「彼は、私の友人でもあり、

医師の中でも、腕の立つ医者。

尊敬もしてる人物だ」


「・・ハア」

「その彼が、私に初めて

頼みごとをしてきたんだ」

・・・?

頼みごとと、オレ・・・

一体何の関係があるっていうんだ?


「それと私、

どんな関係が?」

「大アリだ・・・

今月いっぱいで、

ここを辞めて、離島の診療所に、

行ってもらいたい」