続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても

そもそも言いたい放題言っていたら、事務所的にアウトだろう。

カスミが俺たちはあやつり人形だと言っていたけど、ある意味ではそうかもしれない。

自分で事務所を立ち上げない限りは、プロデュースしてもらっている誰もが事務所の意向に逆らうことができなくて。

そんなことは分かりきっていたことで、覚悟の上だ。

思い通りにいかないことなんて山ほどあるなかで、こんなことは大したことじゃなくて。

ただ、腐りきって何を信じればいいのか分からないこの世界で、俺たちの間でだけは嘘をついてほしくなかったから、兄さんが隠し事をしていたのがショックだった。

兄さんが1人で関係者との食事会に行っていたのは、シューイン兄は俳優もやっていて忙しいし、年下の俺たちが上手くやれるのか心配だったんだろうけど、俺たちだっていつまでも子供のままじゃない。

俺たちのためにやったことであっても、隠し事なんてしてほしくなかった。

どんなに小さな嘘でも一度嘘をつくと、ずっと嘘をつき続けなければいけないから。

そうなったら、もう何を信じていいのか分からなくなる。

何も知らずに能天気に過ごしていた自分にも嫌気が差す。