「急にきてごめん。そろそろ大丈夫だと思うから、もう行くね?」


「待ってください。
まだ事情を詳しく聞いてないですよ。
俺には聞く権利があるはずです。」


こんな何も分からず、消化不良のまま帰せるわけがない。

この人とはあまり、というかほとんど恋愛の話をしたことがなかったので、以前から気になっていたんだ。

隠されると知りたくなるのが人間の本能だろう。


そして、姉さんから聞き出した話は想像していたものとは全く違ったもので、俺はしばらく言葉を失った。