どうして俺は、いい兄さんでいてやれないんだ。

どうしてリーダーなのに、メンバーを上手く導いていけないんだ!

社長から言われたことを何度も頭の中で繰り返した。

俺だってそんなに強いわけじゃないんだ......。

仕事のストレス、最愛の彼女との別れ、さらにメンバー間の問題でギリギリのところまで追い詰められていた俺は。

辛くて寂しくてどうしようもなくて、そばにいてくれるなら誰でも良かった。

一番近くにいてくれたのがメイリンで、それで手放したくなかっただけで。

だから純粋な恋愛感情からじゃなく、ただそばにいてほしいために思わせ振りな態度をとって、利用していただけかもしれない。

どっちみち俺は、メイリンとは付き合えないんだ。

いつからか誰にも本音が言えなくなって、作り笑顔をするたびに心が張り裂けそうになっていく。

こんな関係望んでいたわけじゃない。

俺のやり方は間違っていたのだろうか。

考えこんでいたら、情けないことに涙があふれそうになってきたので、アクセルに力を入れスピードを上げた。