ヒョンス視点


「なぜリーダーなのに、他のメンバーを上手くまとめられないんだ」


「......申し訳ありません」


メンバーが仕事に遅刻や失敗、熱愛報道など何かしでかすたびに、リーダーの俺がこうして社長室に呼び出されて叱られる。

今日は最近の俺たちの不仲説のことだ。

報道は的はずれなものだったけど、実際に俺たちの雰囲気はあまり良いものじゃなかったから、それについて咎められる。

社長が俺だけを呼び出すのはリーダーとしての自覚を持たせるためだろう。

もちろん個別にも呼び出されるが、最終的には俺のところにしわ寄せがくる。

社長はメンバーのいる前では、リーダーの俺を持ち上げるし、みんなに頼られることが好きな俺の性格を分かっていて、必要以上にプレッシャーをかけているんだ。

それは分かっていても色々なことが重なり、リーダーとしての自信を喪失し始めている今の俺には社長の言葉はけっこう堪える。

本来なら尊敬し、慕うべき社長の残り少ない毛をむしってやりたいと思うくらいには。