続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても

「俺も日本にいたいな。
日本で活動するか?」


あさってから残りのメンバーと合流して、年末の歌番組に出て台湾に帰る。

台湾が嫌だと言うわけではないが、今は...気が重い。

日本にきたからといって何か変わるわけではないにしても、逃れたい現実に直面していたんだ。


俺たちに直接関係あるわけではないが、うちの事務所に所属している芸能人の不祥事が相次ぎピリピリした空気が漂っている。

まず、ある歌手が麻薬所持で逮捕されて、それから大人気だったバンドがメンバーの不仲が原因で解散した。

デビュー当時世話になった先輩だったこともあり、俺たちは少なからずショックを受けている。

こんなことは芸能界ではよくあることではある。

しかし、身近に起きるとやはり...。


芸能界には魔物が住んでいるんだ。

純粋だった若者を金と欲に目がくらんだ大人に変え、同じ夢を目指していた仲間でさえ仲違いさせる...そんな魔物が。

何が原因かは分からないけれど、あんなに仲が良かった先輩たちが不仲になったことを思うと、自分たちもいずれはそうなりそうで嫌だった。