ボクが南野公園のベンチに座って待っていると、一台の車が公園の入り口付近でとまった。
なんとなくその車を見ていると3人の男の人が車から降りこっちに向かってくる。
そしてボクの前まで来て止まった。
「君が携帯を拾ってくれた子?」
そう聞かれ少し戸惑いながらも頷き、
携帯を手渡した。
「いやー、すまんかったなー
こいつが携帯ないって騒ぐもんだから…
でもキミが携帯に出てくれて助かったわーっ」
そう言って八重歯を見せ笑った。
「助かった、さんきゅうな…」
そう烙刃であろう人物に言われ「いえ…」とだけ返した。
「それで、もしよかったらお礼がしたいんだけど…
連絡先とか教えてもらっても?
もしダメなら今からでも…」
「…お礼とかいりません。
もう会うことはないでしょうから…。」
ボクは聞こえるか聞こえないかの大きさで呟いたのだが、
どうやら聞こえてしまったらしい。
