お言葉に甘え、ボクは悠里と並んで歩く。


他愛もない会話をしながら家へと向かう。


「や、っと見つけた…!」

そんな声に何気無く後ろを振り返る。

「……あ、」

「あ、じゃねぇよ! 動くなって言ったろーが!!!」

そこには息を切らせた烙刃さんが立っていた。

烙刃さんの後ろには由妃さんと和馬さんが立っていた。

「……みなさんお揃いで…」

「燐ちゃん、僕たちすっごい探したんだからね?」

…由妃さん怒ってらっしゃる。

そしてボクの後ろに居た悠里に気が付く。

その由妃の視線を烙刃が追う。


「おい…その男誰だ…?」


「えっと、ボクのおと…うぐっ」

後ろから悠里に口を抑えられ最後まで言葉を発する事は出来なかった。

な、なに?と目で訴える。


ボクと目が合った悠里はウインクを返してきた。

きっと黙ってろってことだろうと思い小さく頷く。


「誰だお前? そいつから離れろ。」

烙刃がものすごい低い声で悠里に言い放つ。

が、そんな事はお構いなしに悠里はものすごい事を言い放った。

「俺? 俺は燐の恋人♡」

「は?」


はぁぁぁぁぁ?!
なに言ってるの?!!

悠里を見上げてから、3人の方を向くとものすごく間抜けな顔をしていた。

だが、すぐさま烙刃は悠里を睨みつける。

「嘘言ってんじゃねーぞ、お前。」

「どうして嘘だと思うの?」

悠里も負けじと睨み返す。


どうしてこうなったの……。