10月最後の日、


ボクは人生を終わらせようと家を出た。




両親を幼い頃に亡くし、親戚もいない。


ただ両親がお金持ちだったために生活の面では困らなかった。



回りから見れば何の苦労もない人間…


そう思われているだろう。




だけどボクはもう疲れた。




それが今日で全て終わる…


そう思うと不思議なくらい気持ちが楽になった。






「やっと会えるよ………



パパ、ママ…──。」





空を見上げながら呟いたと同時くらいに近くで着信音が聞こえた。