ナクシタモノ





ボクが死ぬ前に唯一、持ってきたもの。


「燐ちゃんそれは?」


「‥薬。」


「なんのだ?」

「…何でもいいでしょう?」

ボクはため息をつきそう言った。




どうしてこの人たちはボクなんかに関わりたがるんだろう。

意味がわからない…。




薬を飲もうとすると横から烙刃に取り上げられた。


「あッ……返して下さい!」


「何の薬か言え。」


どうしてそこまで関与されなきゃいけないの?

好きにさせてよ…


「言え。

言ったら返してやる。」


ボクは一刻も早く
薬を返して欲しかった。


だから“返してやる”
と言う言葉を信じた。



「……ただの頭痛薬ですよ。」



その言葉に3人ともピクっと反応した。



「燐ちゃん…頭痛かったの?」


「夕闇と変わるとなるんです。

だから早く返して下さい!」



烙刃に向って手をだすと薬を返してくれた。