休憩になったので、ホワイエでドリンクを飲みながら、お喋りする。



「先生ったら、いきなり眠っているんだもの…びっくりしました。」


「中間考査の問題考えるのに、睡眠時間削っているからな…。」


「じゃあ、私とのデートは無理して時間作ってくれたの?」


「そんなことないよ。

梨香とのデートは必要不可欠、無いなんて考えられない。

…で、どうだった?」


「先生、まつげ長いし、おヒゲないし、本当に綺麗ですよね。

見とれてしまいました。」



そう言ったら、コーヒーを飲んでいた蒼先生がむせた。




「ナルシストじゃあるまいし、誰が顔のことを聞きたいなんて言うか?

コンサートのことだ。

それと、この顔は嫌いだから、あまり言わないでくれ。」


蒼先生は、頭をかかえていた。




みんなから『かっこいい』って言われるその顔の、どこにコンプレックスがあるんだろう?






後半を聴くために、席へ戻る。




コンサートは後半の方が良かったかな。


前半は、演奏に耳を傾けるどころじゃなかったっていうのもあるけど。