道場の入口には、蒼先生目当ての新入生が大勢いる。



入口の生徒に、蒼先生は微笑みながら尋ねる。


「入部希望?」


そんなわけ、ないじゃない。




みんな、声を揃えて答える。


「マネージャー希望でーす。」


…そうでしょうとも。



「悪いけど、マネージャーは間に合ってる。」


蒼先生は入口から離れ、部員に稽古をつけ始めた。





新入生たちの、私を睨みつけるようにして見る視線に悪意を感じてしまう。


「あの小さいの、ホントに高校生?」


「耳の上でツインテイルなんかしてりゃ、小学生にしか見えないんじゃないの?」


「ここからじゃ顔見えないね、振り向いて見せろよってカンジ。」


「大したことないから振り向けないんだよ。」



何で聞こえるように言うのかな?



アンジェくらい綺麗だったら、すぐにでも振り向くのだけど…。