電車で、蒼先生の部屋へ向かう。



そこは…もぬけのカラだった。



「どういう…こと?」


「今、学校に電話したところで休みだよねぇ…。」


アンジェは元クラスメイトの携帯に電話すると、教頭先生の連絡先を聞き出した。



いきなり、教頭先生に電話!?



「他の教員より、確実でしょ?

先生だけじゃなく、蒼とも仲良かったみたいだし…。」



教頭先生の話によると、昨日付けで自己都合によって退職したということだった。




「学校側もいきなりだったから、テンパってるみたい。」


アンジェが髪をかきあげた。




「リコ、最後に蒼と連絡したの、いつ?」


「3日前かな…。」


「変わったこと、なかった?

会話の内容じゃなくても、声のトーンとか…何でもいい。」


「特には…。」



そう言ったものの、1つ引っ掛かることを思い出した。



アンジェなら、話しても良いよね?