そして、卒業式…

みんなが、ぼろぼろと涙を溢している。
けれど、私は泣けずにいた。
何故かわからないけれど、泣けなかったのだ。


「舜先輩!留学するって、ほんとなんですか?!」

大人数いる中の一人の子が代表して聞いていた。

「ああ。…家、継がなきゃだし、一番の理由は、大事な女のためだ。」

私は、その言葉を聞いた瞬間、嬉しさと寂しさの涙が溢れた。