蒼空~キミの名前を呼ぶ~




すると、まどかはクルッとあたしに背を向けた。



そして、一言。




「高野くん、
今日は、美紗置いていくな」





は…?


ただ、ポカーンとするあたし。




きっと今、まどか以外は全員そんな顔をしているだろう。


まどかひとりが、満面の笑顔。






「ほら、男子共!
ボーッと突っ立っとかんと、早よ行くで」



そのまどかの言葉に、斗真と大嶋くんは『お、おう…』と小さな声で返すしかなかった。





「じゃねぇ~♪」



「ちょ…っ、ちょい待てぇーッッ!!」

「おいコラ、佐藤ッッ!!」




あたしと蒼空の訴えも虚しく、まどかは後ろに男子ふたりを連れて、優雅に去っていった。